元引きこもりのMaichanです。
合わせて13年という長期間引きこもっていた私ですが、色々な方の助けがあってどうにか社会復帰することができました。
社会と関係を絶っていた期間が長いですし、うつ病ということもあって、すぐに就職というわけにはいきませんでした。
デイケア、就労継続支援と、長く経験を積んでからの社会復帰でした。
担当医の勧めでデイケアに通う
私が引きこもりから脱出できたきっかけは、担当医から勧められたデイケアだったのではないかと思います。
それまでは家で毎日ネットやゲームをしていて、必要な時だけ外出していました。
その時、自分では引きこもりという実感はあまりなかったように思います。
自分の部屋にこもって出てこないわけではなく、いつもリビングで家族と過ごしていましたし、友達に誘われれば外に出て遊びに行ったりもしていましたから、いわゆる『準引きこもり』という状態でした。
それ以上に、チャットやオンラインゲームで毎日誰かとやり取りをしていましたから、別段孤独を感じることもなく、自分が引きこもっていると思うこともあまりなかったのだと思います。
担当医が変わり、後の先生にデイケアに来ないかと言われ、家で暇にしているのもなんだしと思い週に5日通い始めました。
実際クリニックのデイケアはビデオを見たりトランプで大富豪をするだけのもので、もっといろいろなプログラムやSSTなどを体験してみたかった私には合いませんでした。
毎日漫画を読んで、ビデオを見て、トランプをして、この人たちは死んでいないだけで生きていないとすら思いました。
この人たちと同じ空間にいるのは苦痛だけれど、ここ以外に行き場所もない。惰性で通っていたある日、事件が起きてクリニックは突然閉院しました。
急いで見つけた次の病院が、今お世話になっている病院でした。
デイケアに懲りた私は、次の病院で勧められてもなかなか行こうとしませんでした。
そこでアルバイトでも探そうとしましたが、もうずっと社会に関わることなく生きてきましたから、しり込みしてしまい一歩が踏み出せませんでした。
そうこうするうちにすっかり夜型になってしまっていましたから、取りあえず、生活のリズムを整えるためにデイケアに通うことにしました。
デイケアにはあまり期待はしていなかったのですが、職員さんたちはとても親切で何でも教えてくれました。
ガラス細工や革細工、貼り絵、編みぐるみ、その他にもいろいろな手工芸を教えてもらい、私もたくさんの作品を残すことができました。
月に一度はSSTもあり、刺激を受け、勉強することができました。
働く喜びを知った就労継続支援
生活のリズムも良くなり、他人と同じ空間にいることに慣れてきた私は、就労継続支援を受けることにしました。
ちょうど病院の敷地内に多機能型事業所があったので、迷わずそこでお世話になることにしました。
そこでは朝から夕方まで、チラシを折ったり凧を作ったりしていました。
途中からは事業所でポップコーンを作り始め、私も参加させてもらいました。
食べ物を扱う作業はなかなか緊張しましたが、休憩時間に商品にならなかったポップコーンを試食させてもらえるのは嬉しかったです。
メンバーさんはみんな何かの病気や障害を抱えていますが、自分の出来る範囲で、一生懸命作業をしていたと思います。
時間を守り、仕事に真剣に向き合う。
持って生まれた個性や病気に苦しめられている人たちに出来て、どうして健常者である今の会社の人にはできないのか不思議でなりません。
私は、社会においては時間もろくに守れない人や、仕事を真剣にできない人の方が障害者なのではないかと思います。
一生懸命働いて手にするお給料は、額こそ少ないですがとても嬉しく、誇らしいものでした。
就労移行支援から再就職
事業所で就労移行支援が行われると聞いて、私は迷うことなく参加しました。
就労継続支援で1年がんばれたことが、大きな自信になっていたのだと思います。
ハローワークの職員さんによる説明会に参加し、事業所の職員さんに手伝ってもらってみんなで履歴書を書きました。
ハローワーク主催の障害者向けの会社説明会あったので、久しぶりに髪を切り、スーツを買って見学に行きました。
今の会社を見つけたのはそこでした。
会社への連絡や見学、履歴書の作成、写真撮影など、なにもかもハローワークと事業所の職員さんが手伝ってくれました。
面接当日は小雨が降っていて、バスを乗り過ごした私はレインコートを着てバイクで事業所まで行きました。
いつも誰よりも早く来ている私が、その日は少し遅くなってしまったので、担当の職員さんが涙目で慌てふためいていたことをよく覚えています。
心配させて申し訳ない気持ちと、自分のことのように私のことを心配してくれることが嬉しい気持ちと、入り混じって不思議な気持ちでした。
面接の時間には余裕で間に合い、私は障害者雇用枠で今の会社にパートとして勤めることになりました。
私一人では、絶対に再就職なんてできませんでした。
支えてくれたたくさんの素晴らしい方々に、心から感謝しています。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。